前回の記事で、
プロジェクタをワイヤレス化する方法:Google Chromecast
という記事を書きましたが、その続きとして、プロジェクタをワイヤレス化する方法として「Microsoftワイヤレスディスプレーアダプターを使う方法」をご紹介したいと思います。
Microsoftワイヤレスディスプレーアダプターとは?
Microsoftが純正(?)で提供している、離れたテレビやプロジェクターなどに映像を転送する装置です。
どこで買えるかというと、↓のAmazonなどで買えます。
マイクロソフト ワイヤレスディスプレイアダプター V2【Wi-Fi不要】Miracast technology搭載デバイス対応 P3Q-00009
¥ 5,777
値段は上下しますが、だいたい5000~7000円台で買えるようです。
どういうハード?
見た目はとてもシンプルです。
片側がテレビに接続するHDMI端子、もう片方が給電用のUSB端子です。
もし、テレビに余っているUSB端子があれば、そこに接続すればこのアダプターは動作します。もしテレビにUSB端子がない場合には、普通のUSB用のACアダプターで接続すれば動きます。
ものすごく簡単な構成なので、接続に悩むことはないと思います。
接続方法は簡単!(後で記載する様々な問題が解決できたらね…)
なお、接続手順自体は、とても簡単です。画面右下のメニューを出して、[接続]をクリック。
しばらく待つと、下記のように「MSDisplayAdapter_xx」みたいなものが出てきますので、そこをクリック。
これで、ワイヤレスでテレビにPCの画面全体を表示することができます。
さすが、マイクロソフト純正なだけあって、とても簡単に接続できます。
ただし、次に記載した様々な問題をクリアできたら、の話です。
気を付けるべきは、PCのOSと、ハードと、Wi-Fiの周波数、パーソナルファイアーウォール!?
ところが、いざ使おうと思うと、なかなかに悩ましい問題がいくつか出てきます。
まず、対応ハードが限られています。
OSとして、「Windows 10/8.1 など、比較的新しいOS」でないと動きません。Surfaceでも動きますが、Surface RTでは動きません。
次に、「PCのハードウェア自身が Miracast という映像転送形式に対応」している必要があります(WiDi対応と書かれているものもあります)。調査のやり方は、下記のブログが参考になるかと思います。
使用している Windows 8.1 PC が Miracast に対応しているかどうかを確認する | 焦げlog
・・・が、正直いって、初心者の方には無理かも!?…ですので、
ざっくり簡単に書くと、「Windows10/8.1がプリインストールされている、比較的新しめのノートPC」とかなら、動くと思います。
それ以外の方は、動くかどうかは、事前にちゃんとチェックしないと、「買ってきたけど動かない!!」となりかねません。
ちなみに、私が所有している旧型のDELLのデスクトップPC(Windows10にアップグレード)では、「このハードはMircastに対応していません」のようなそっけないエラーメッセージが出て全く動きませんでした…。
別の比較的新しいハード(ノートPC)のほうは、きちんと動いたんですけどね。
そして次に、Wi-Fi問題。
実はこれが一番、私がハマッたところだったのですが、実はこのMicrosoftワイヤレスディスプレーアダプター、「機器の初回のペアリング時には、5GHz帯のWi-Fiを使ってルータなどに接続していると、認識しない」というものでした。
これに気づくのが遅くなって、かなり時間を浪費してしまいました。
なぜ気づいたかというと、Windows10などには、モバイルホットスポットという機能(PCのインターネット接続を他の端末にも共有させる機能)があるのですが、それをこのMicrosoftワイヤレスディスプレーアダプターが使っているだろうと気づき、あえて手動でオンにしてみたら、↓の赤枠で囲ったところのようなメッセージが出て、5GHz帯だと動かない機器があると思いあたったからでした。
そこで、無線LANルータにPCを2.4GHz帯で接続しなおして、ペアリングしてみると、無事Microsoftワイヤレスディスプレーとの接続に成功し、正常に動作しました。
最後に、パーソナルファイヤーウォール問題。
具体的に書くと、「Windowsファイヤーウォール、または自身でインストールしたウイルス対策ソフトのパーソナルファイヤーウォールの設定で、通信を通す必要がある」ということです。
そのあたりのことは、↓に書いてあります。
ディスプレイ アダプターのトラブルシューティング | Microsoft Accessories
実は、私が先のWi-Fiのペアリングで悩んでいた箇所も、
解決策 8 : デバイスのワイヤレス周波数帯域を変更する
Microsoft Wireless Display Adapter は、2.4 GHz または 5 GHz のどちらでもデバイスと通信できますが、デバイスをアダプターとペアリングするときは、2.4 GHz 帯域が有効になっている必要があります。
とさらりと書いてあります。(えっ、それ大事なことなんじゃないの!? なぜこのページにしか書いてくれないの!?)
他にも、解決策はたくさんあり、この長文を読んでもさっぱりわからない、という方は、Microsoftワイヤレスディスプレーアダプターを買うと、「まったく苦労なくすぐにつながった!」か、「いろいろ時間をかけて設定してみたけど、うまく動かなかった!」のどちらになると思います。(苦笑)
Microsoftワイヤレスディスプレーアダプターの個人的な感想
先にも書いたとおり、つながる人はすぐにつながりますし、ワイヤレスディスプレイ化する手順も、最も簡単だと思います。
ただし、すぐにつながらない人は、どこに課題があるのかを発見するのは、PCに詳しい人でないかぎり、なかなか至難の業になってしまうかもしれません。マイクロソフトは「簡単に接続できる」ということを全面にアピールしたいばかりに、本来必要となるトラブルシューティング情報を出さなすぎていると思います。
このあたりは、相性問題が本当に少ない「プロジェクタをワイヤレス化する方法:Google Chromecast」とは、まったく異なる性質の商品であるといえます。
逆に、Microsoftワイヤレスディスプレーアダプターのメリットは何かというと、先にも述べたとおり、モバイルホットスポット機能(Wi-Fi Directと書いたほうが一般的かな?)を使っているので、「描画スピードが速い」ということが挙げられます。
簡単に図解をするならば、
Chromecast:
インターネット - 無線LANルータ - PC(映像元)
|
Chromecast - テレビ
と、間に無線LANルータが挟まっているのに対し、
Microsoft ワイヤレスディスプレイアダプター:
インターネット - 無線LANルータ - PC(映像元) - MSDisplayAdapter - テレビ
と、PCとワイヤレスディスプレイアダプタが直接接続されている状態なので、Chromecastに比べて描画速度が速いということが挙げられます。
動画を見ても、ほんの少し遅延があるものの、十分見える程度の速さを保ってくれています。音声もテレビ側に転送できます。
ですが、格闘ゲームなどをやっても問題ないほど描画スピードが速いかというと、そうでもないので(やはり数フレーム遅延が発生します)、ほんの少しの遅延も許されない用途の場合には、有線ケーブルでつないだほうが良いかと思います。
どちらのハードにも一長一短がありますが、ご自身の用途に合わせて、購入されることをお薦めします。
マイクロソフト ワイヤレスディスプレイアダプター V2【Wi-Fi不要】Miracast technology搭載デバイス対応 P3Q-00009
¥ 5,777