迷惑メール法の改正で、迷惑メールは無くなるか?

先日、迷惑メール規制に関する法律(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)の改正案が可決され、法案が成立しました。施行されるのは来年以降になるでしょうか。

さて、今度の改正法で何が変わったのでしょうか?
論点は、「事前にユーザーに同意を得ているメールしか送ってはいけない」という点です。メールマーケティングが流行り出した頃、盛んに言われていた「オプトイン方式」のメールしか送ってはいけないということです。

これまでは、メールの件名に「未承諾広告※」と入れればOKと捉える業者や、そんなのには一切関係がなくとにかくスパムメールを送りまくる業者等が入り乱れ、そもそも「迷惑メールを送っちゃいけないという法律があったんでしたっけ?」と聞かれるくらい、取り締まる気があるのかというのが現状でした。

ところが、最高100万円から3,000万円と罰則も強化され、明確にオプトイン方式のメールしか送ってはいけないという決まりができました。

これは、一定の効果が期待できると思います。少なくとも、真っ当なビジネスを展開しようと思う事業者は、この法律を守らざるを得ないことになるでしょう。
また、今一度オプトイン方式のメリットが見直され、店側と顧客との適切な交流(カスタマーリレーションシップ)が重要になってくるでしょう。

問題は、「ハナから真っ当なビジネスをやろうと思っていない層」に対して、効果があるかという点です。一応、海外のサーバから送られてくる迷惑メールに対しても、海外の捜査当局と協力して取り締まりを強化するということになっているそうですが、この点においては私はやや疑問です。
相手は、ゲリラ戦を仕掛けてきます。ある海外のメールサーバから大量送信してきたと思えば、その翌週には違うメールサーバから大量送信を仕掛けるでしょう。また、ウィルス感染させた個人のPCにボットを仕掛け、メール送信を仕掛けてくる業者も現れないとは限りません。
正規の手続きを踏まないと捜査が開始できない日本の警察は、辛いイタチこっごを強いられることになるでしょう。

しかし、悲観することはないと思います。迷惑メールの数を少しずつでも減らしていく努力を続けることは良いことですし、業者も数が少なくなってくれば、それだけ取り締まりもやりやすくなります。
要は、業者に「リスクが高い割に儲からないなぁ」と思わせる仕組みを、様々な要因を通して作っていけばよいのです。そういう意味では、振り込め詐欺を減らしていく努力と同じですね。

私はITコンサルティングを通じて、真っ当な事業者が、真っ当に儲かる仕組み作りを応援します。

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