モバイル業界の行き過ぎた広告表示を見直す動きが出てきています。
スマホやモバイルルーターの広告には「実効速度」の表示を、総務省研究会が報告書案 -INTERNET Watch
ベストエフォートとは?
モバイル関係の契約をする際、よく見かけるのがこの「ベストエフォート」というものです。
これは何かというと、「最大の結果を得られるよう努力します」という契約で、言外には「最大はこれだけど、実際にはそれを下回ることもあるけど許してね」という契約の意味でもあります。
例えば、「受信最大150Mbps」という謳い文句があれば、最大限頑張って150Mbps出る(かもしれない)契約ですよ、という意味です。
でもご存じのとおり、そんなスピード、モバイル通信で一般ユーザーが普通に使っていて出た試しがありません。(笑)
実際にはそれより全然遅くて、これが誤解を生んで消費者から苦情が出る原因にもなっています。
実効速度を広告表示すべきという声
さっきの最大150Mbpsであれば、実際には10~30Mbps出れば御の字、というところではないでしょうか?
そのため、広告表示を「受信最大150Mbps(ベストエフォート)。受信実効速度は、14.1~37.6Mbpsです」という表記にしてはどうか、ということになりました。
こちらのほうが、消費者にも誤解がなく、良い結果を生みそうな気がします。
ただし、通信事業者のほうからすると、それを守るのもかなり難しいのが現実かと思います。イベント会場や、朝のラッシュ時などは、通信速度はかなり遅くなりますし、人気の通信事業者であれば、通信設備の都合でこれまた速度が極端に遅くなったりします。
「受信実効速度は~」なんて謡ってしまうと、「その速度すら出ないじゃないか!」というクレームが起きてしまいそうです。
総務省主体、第三者機関による速度調査を実施しては?
個人的には、各通信事業者(プロバイダ)ごとの定点観測を、総務省主体で完全に公平な第三者機関に委託し、実施してみてはどうかな?と思いますが、いかがでしょう?
同じ時間、同じ場所で、各社の通信機器を使って、毎回定点観測します。
すると、「ああこの事業者は最近急激にスピードが落ちてきたな」、とか、「あの事業者はどの時間帯でも安定して通信速度が出ている」とか、具体的にわかると思います。
各通信事業者(プロバイダ)からすると、かなり怖い調査になりますが、でも、実際そのほうが確実なような気がします。
速度が出ている会社にユーザーは移りますから、結果顧客の急激な増減に通信設備が追いつかない、ということも防げるかもしれません。
気象庁の雨量計が信頼されているのも、非常に多数の測定箇所から測定し、統計的に正しい数値を割り出して報告されているので、多少の誤差はあれど、概ね信頼されていますよね。
それと同じことが、総務省でも実施されるとすごく良いような気がするのですが、いかがでしょう?