キーマンズネットが、2014年のメールシステムとセキュリティ環境について、アンケート調査を実施していました。
メールシステムとセキュリティ対策(2014年) – IT、IT製品の情報なら【キーマンズネット】
詳細は上記記事を見ていただけたら良いと思いますが、私が気になったところをピックアップしていきます。
まず、「受信メール全体に占めるスパムメールの割合はどれくらいか」という質問に対し、
1位 「10%未満」43.2%
2位 「10%~30%未満」22.2%
3位 「ほとんど受信することはない」17.5%
となっており、また大企業であるほど「受信するメールが多い」にも関わらず「ほとんど受信することはない」という回答をする割合が多かったそうです。
つまり、大企業ほどスパムメール対策を実施している割合が多く、またフィルタのアルゴリズム精度も上がってきているということなんでしょうね。
「どんな電子メールシステムを導入しているか」については、
1位 「商用ソフトウェア」52.9%
2位 「クラウド/ASP」21.6%
3位 「アプライアンス」13.2%
とのことで、特に、1001名以上の大企業でも「クラウド/ASP」の利用割合が倍増していることから、クラウドが浸透してきていることが伺えます。
情報資産を守るという意味合いからクラウドを敬遠する流れが大企業には少しあったのですが、資金も人員も揃っている大企業ですらこの動きなのですから、中小企業の場合ではクラウドを利用しない手はありません。
「標準環境ではどのメールクライアントを利用しているか」は、
1位 「Microsoft Office Outlook」46.9%
2位 「Outlook Express/Windows Live Mail」19.1%
3位 「Thunderbird」14.3%
となっており、5位「インターネットブラウザ(Webメールなど)」13.2%と比べれば、まだまだPCインストール型のメールクライアントが主流であることがわかりますね。
しかし、私がご支援する企業のほとんどが社内だけでなく外出先でもメールを送受信したいという要望も多く、Webメールの併用を希望されていますので、Outlook Onlyという状況ではなくなってきているんじゃないかな、と思います。
なお、「実施しているメールセキュリティ対策」については、
1位 「ウイルス対策」93.9%
2位 「スパムメール対策」73.8%
がほとんどで、3位「メール誤送信対策」27.1%、4位「メール暗号化」25.1%に比べると明らかに差があります。
特に、3位のメール誤送信はメールクライアントとは別に、対策ソリューションを購入しなければならないことが多いですから、普及には時間がかかるのではないかと思います。
肝心の、「現在、電子メールを経由した脅威による被害があるか」は、
1位 「被害はない」44.8%
2位 「業務に支障はないが被害はある」38.0%
3位 「不明」15.9%
となっていて、軽微ではあるものの被害を受けたという企業が14ポイントほど増加したそうです。
私の感想としては、
・企業のメールのウイルス対策、スパムメール対策は進んでいる。むしろ、Webサイト経由からのマルウェア感染のほうが今は危なそう。(とはいえ、標的型メール攻撃で狙われたら、ほとんどの企業ではアウトだと思いますので安心はしちゃいけない。)
・メール誤送信のソリューション普及は、まだまだこれから。
・企業としての効率化を図る上では、自分宛に届く余計なスパムメール、Cc:メールの開封率を減らし、「自分が処理しなければいけないメールを開封する割合を増やす」ことに力を注ぐ必要もありそう。
と感じました。
企業の経営層、ITシステム担当の方も、上記を参考にされてみてはいかがでしょうか?