(5/15追記:Shift-JISになる原因も特定しましたので解説に加えました。)
先日、ITコンサルティングのクライアントさんから、
「自社からOutlook 2010を使って送信したメールを、お客様がiPhone Mail(iPhone標準のメールソフト)で返信すると、文字化け・送信エラーが起きるのですが」
という質問がありました。
(同様のことはiPhoneだけでなくiPadでも起きます。)
そこで、私が調べたところ、以下の症状があるようでした。
・Outlookから送信して、iPhone Mailで返信すると、To:欄が文字化け。①
・Outlookから送信して、iPhone Mailで返信すると、送信エラーが戻ってくる。①
・Outlookから送信して、iPhone Mailで返信すると、本文が文字化けする。②
このとき、①と②は違う原因で起きることがわかりました。
最初に、レアケースでもある、
【①の原因と対策】
①の原因としては、Outlookの「名前」欄にある日本語を、iPhoneが正しく文字コード変換できず(Shift-JISで変換して送信しようとすることがあり)、文字化けを起こしてしまって、返信メールのTo:欄が文字化けして届いたり、最悪、送信エラーでメールが届かなかったりするようです。
①の対策ですが、まずTo:に「㈱」などの特殊記号が使われていると、iPhone MailはTo:をShift-JISでエンコードしてしまうようですので、「㈱」や「㈲」などの特殊記号を使わないことが大事です。(Outlookの自分の名前欄に「㈱」など含まれていたら「(株)」のように普通文字の3文字で記載すると良いです。)
もし運悪くiPhone MailのTo:欄がShift-JISエンコードになって、ここにShift-JISのダメ文字が含まれていると、この①のエラーが発生するようです。
Shift-JISのダメ文字の一覧表 – fudist
より正確にいうと、ダメ文字を含む文字の組み合わせで化けるので、必ずしもダメというわけではないのですが、避けたほうが安心です。
(今回のクライアントさんは、①が原因でした。)
次に、
【②の原因と対策】
こちらは割とメジャーで、マイクロソフトの公式ヘルプに載っています。
Outlook 2003 / 2007 / 2010 などでも発生します。
基本的に文字コードの自動変換はその名の通り自動で行われますが、まれにうまく行かないこともあり、人間が手動で[エンコード] を [日本語 (自動選択)] にしたり、 [Unicode (UTF-8)]にしたりすることで直ることがあります。
また、iPhone Mailをよく使われる場合には、対応しておいた方がよい対策もあります。
MACerへの道: iPhoneとiPadから送信するメールの文字化けを防ぐ
簡単にいえば、iPhoneの署名に「コマンド」マーク(⌘)などの文字を入れることです。
こうすることで、iPhoneからのメールが必ずUTF-8という文字コードで送られることになり、メールを受信した相手への文字化けを防ぐ効果があります。
①も②も、日本語の文字コードの変換ミスによって引き起こされるものです。
コンピュータで使われる日本語の文字コードというが複数あります。具体的に挙げますと、
・Shift-JIS … Windowsでよく使われる文字コード
・JIS(ISO-2022-JP) … 最近ほとんど使われないが、インターネットメールなどでよく使われる。
・Unicode(UTF-8) … 日本語を含む多言語・世界標準の文字コード(=最近主流になりつつある)
などがあります。
これらがメールソフトによって文字コード変換への対応がまちまちになっていることにより、メールの文字化けが引き起こされます。
特に、iPhone Mailは文字コード変換が下手な気がします。(笑)
Outlookも、昔っから、Shift-JISとJISとUTF-8が入り乱れると自動文字コード変換が下手な感じです。
このあたりは、後発の
・PCからは Outlook.com や Gmail などのWebメール
・スマホやタブレットからは「Gmail」アプリなどの専用アプリ
などが上手な気がします。
個人的には、GmailとGmailアプリをメインで使うようになってから、文字化けで困ったことが極端に減った気がします。
大事なメールが文字化けしたり、相手に届かなかったりするとイラッとしますよね。(笑)
うまく回避するコツを掴んでみてくださいね!