書籍をデジタルデバイス(タブレット型PCや携帯端末等)で読むため、裁断してスキャンして読みやすい電子書籍フォーマットに直すことを「自炊」と呼んでいます。
ですが、自分でやるには手間が掛かりすぎるということで「自炊代行」を行う事業者が複数出てきました。
1冊100円程度からやってくれますから、面倒な裁断&スキャン作業を任せてしまえる(しかも質も良い)ので、大流行りのサービスとなりました。
ですが、厳密にいうと、法律的にはグレーではないかと以前から指摘されていました。
そして、出版社や作家が代行業者に対し、質問状を提出しました。
出版社からスキャン代行業者への質問状を全文公開、潮目は変わるか
これに対し、自炊代行業者の中には、公開回答をするところもあります。
作家様・漫画家様・出版社様からの質問状について<公開回答> 自炊代行ドットコム
どちらの言い分も正しいように思えて、簡単に決着がつきそうもないことが伺えます。
もちろん、出版社側が電子書籍のラインナップを拡充し、自炊代行する必要をなくすというのが理想的ですが、出版社側にも事情があり、顧客の要望に応え切れていないのが現状です。
その昔、「貸本屋」という業態があって人気がありましたが、今はそのサービスの存在すら知らない人がほとんどです。ですが、お客様の要望にあわせて様々なサービス展開を模索していくのがサービス業の本筋であり、今回の件に関しても既存ビジネスとイノベーションとの間の摩擦とも考えられます。