今回の話はちょっと複雑ですが、なるべく判りやすく書きたいと思います。
まず、日本通信株式会社が提供している「b-mobile」という通信サービスをご存じでしょうか?
b-mobileは、NTTドコモなど他社の回線を間借りして、それに独自の魅力を付加してサービス提供する通信会社の1つです。
(専門用語では「仮想移動体通信事業者」とか、単に「MVNO事業者」と呼ばれます)
そのb-mobile、NTTドコモの安定した回線を利用し、通信速度の上限を300kbps超と低く抑えることによって、「パケット使い放題でかつ低価格」を武器に、少しずつファンを増やしているのが特徴です。
(おおよそですが、NTTドコモとb-mobileの月額料金を比較した場合、約半額ほどの差が生まれます。)
もちろん、ドコモのFOMAは最大7.2Mbpsと圧倒的に通信速度が速いので、同じエリアでかつ速度も大事と考える方は、ドコモを選択されるのが妥当でしょう。(むしろb-mobileを選ぶほうが圧倒的にマイナーでしょう 笑)
さて、ここからが本題。
b-mobileがパケットだけではなく、音声通話も可能なサービス「talkingSIM」を始めるとのニュースがありました。
7/30から申し込みを開始するそうです。
talkingSIM(トーキングシム)|ついに音声通話をプラス、SIMロックフリーが加速する。
つまり、携帯端末をインターネットやメールなどのパケット通信だけでなく、音声通信でも利用したい人にとって、新しい選択肢が生まれることになります。
携帯電話・スマートフォンを今までと同じ使い勝手でありながら、通信速度を低く抑えることで、月額費用を安く抑える手段が出てくるわけです。
どのくらい安くなるかは、↓をご参考下さい。
月額利用料比較
しかし、ここに1つの大きな問題が立ちはだかります。
それが「SIMロック問題」。
カンの良い人なら、「talkingSIMを使えば、NTTの回線網を利用してiPhoneが使えるのでは?」となると思います。そして、実際に首都圏以外での要望も高いものがあると思います。
iPhoneの電波状況、首都圏・関東・北陸以外は「満足度ゼロ%」 ~ MMD研調べ
しかし、残念ながら「talkingSIMの動作確認端末一覧」にあるとおり、海外のSIMフリーのiPhone3GSを購入するなどしないといけません。これはあまりにもハードルが高いです。
そこで、SIMロックを解除すべきでは?という話題がさらに再燃することになると思います。
ソフトバンクも「電波改善宣言」で頑張ってはいますが、短期間ではドコモの安定した通信網には及ばないでしょう。
なにより状況が難しいのは、次世代の通信規格「LTE」が控えていることです。現行の3G回線のアンテナを増やすのか、はたまたLTEのスタートダッシュに賭けるのか。経営資源をどのように投入するのか判断が難しいところです。
いずれにしても、「talkingSIM」のようなユニークなサービスの出現が、SIMロック問題への関心を高め、通信サービスの多様化を促してくれることは間違いありませんので、今後に期待しています。
コメント
こんにちは。
大変参考になります。
SIMフリー端末の入手がかぎですね。
なおゆきさん、コメントありがとうございます。
> SIMフリー端末の入手がかぎですね。
SIMフリーの国内端末は、ドコモが来年4月から始めて、Androidや一般携帯でSIM入れ替えが一般的に流行るようになれば、他社も巻き込んで状況が変わってくるでしょうね。