今日はちょっと真面目な話です。
近頃、「これから求められる富とは?」ということを考えています。
経済的な「富」というものを、ここ数十年、資本主義、自由経済をベースとして先進国を中心に謳歌し、また発展途上国も「追いつき追い越せ」と頑張ってきました。
その結果、確かに経済的に豊かにはなったものの、企業の不正、行政の腐敗、環境の破壊、貧富の拡大とマイナス面が無視できないほどに高まってきているように感じます。
しかしながら、今さら全く新しい「主義」を導入するというのも難しい話ですし、一度手にした豊かさはなかなか忘れることができず、昔のレベルには巻き戻せないものです。
そこで、企業活動・消費活動を通して、「経済的な富」と「精神的な富」の両立を図っていくことが、今後の企業にとって重要になってくるのではないかと考えています。
一般に、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)という言葉で知られているものでしょうが、その本来の意味は、
企業は社会システムの一員であり、社会に認められる存在でなければならない。ステイクホルダー(株主や従業員、顧客やビジネスパートナー、社会や地域の人々など企業に関わる全ての利害関係者)の価値を向上させ、社会的価値を創造・維持し、継続企業(ゴーイングコンサーン)であり続けること。
だと思います。
「環境に配慮しています」とか、「地域ボランティアに参加しています」というのは、このCSRの考え方のほんの一部だということですよね。
そこから、もう一歩踏み出すと、先程から言っている「これから求められる富」に繋がってくるのではないかと。
例えば、フェアトレード。
例えば、マイクロクレジット。
例えば、OLPCのGive One, Get Oneプログラム。
企業活動を営みながら、あるいは消費者が消費行動をしながら、それが新しい価値を付加するような仕組みが、これからもっと必要になってくるのかなと考えています。
もちろん、政府やNPO、NGOなどの主体的に活動し支援する団体も必要だろうし、生産消費者(詳しい説明は省略します)のような存在も重要だと思いますが、今世界中の経済を大きく動かしている企業も、その役割を担うべきではないかな、と思うわけです。
壮大な理念というより、身近な消費行動の中に自然と組み込まれているほうが、なんだか日本人的で私は好みなんですが(笑)、皆さんはどうお感じになられますか?