「ステマ」が景表法違反となる可能性ありとの判断

最近、ネット界隈で「ステマ」という言葉が一人歩きしているようなので、きちんと整理しておこうと思います。

「ステルスマーケティング(ステマ)」とは、

・消費者に宣伝と気づかれないような宣伝行為。
・関係者・外部業者を使って事実と異なる印象操作。
・報酬を出して自社に有利な記事を無関係を装って書いてもらう。

つまり、何かの行為によってユーザーに事実と反する印象を植え付けたり、実物以上に良いものだと誤認識させる行為ということですね。そこに「金銭のやり取り」が介在していると、より悪質な印象になります。

今週、消費者庁が指針を出していまして、

消費者庁、“ステマ”も景表法違反の可能性ありと判断 – ITmedia ニュース

①店舗経営者が口コミ代行を行う業者に依頼し、
②商品・サービスに関するサイトの口コミコーナーに口コミを多数書き込ませ、
③もともと口コミサイト上ではこの商品・サービスに対する好意的な評価はさほど多くなかったにもかかわらず、
④商品・サービスの品質などについてあたかも一般消費者の多数から好意的評価を受けているかのように表示させること

と、より具体的に記載されています。

特に①②の「口コミ代行業者に依頼して、口コミを多数書き込ませ」の部分で、第三者のユーザーだと偽っているところが悪質に感じますね。
(なによりも、ステマをやっている業者そのものが一切外に出てくることがないのも、この事例の特徴的なところですね。)

とはいえ、どこまでがグレーかの線引きは難しく、一般にテレビや雑誌などの取材は昔から、少なくない範囲で『記事広告』だったわけです。

記事広告(きじこうこく)とは、一般に新聞・雑誌などにおいてPR内容が通常の編集記事とよく似た体裁で編集されたペイドパブリシティ(paid publicity)の一種。(Wikipediaより)

無料のタウン誌だって、ほとんどの記事はお金を払って載せているものですし、出版元の名前を出して記事を書くからには、それなりの記事品質(現実から大きく乖離しすぎない程度の記事)を編集者も心がけるでしょう。
それを「ステマ」と呼ぶべきかどうかは、ちょっと違うかなぁという気が致します。

逆に、そういったところも、金に目が眩んで事実と大きく異なることを伝えようとすると、それはメディアとしての品位を問われることになりますね。

ただ一つ言えることは、可視化が進んだ現在においては、下手に悪いことに手を染めず、「素直に良い商品・サービスを作る」に注力することが、誰もが得する方策といえるかもしれません。
(と同時に、良い商品を作るだけで売れるとは限らない時代だから、マーケティングを勉強する価値も高まるわけなのですが。)

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