日中韓における、スマートフォンの現在と将来

今日もITコンサルティングで外出していましたが、すっかりコートが手放せなくなってきました。そういえば、今年もあと20日ほどで終わりですものね…。早いものです。

さて、今日はスマートフォンの話です。

といっても、その中心にあるのは、やはりiPhone。
電車の中でも、使っている人を多く見かけるようになりました。私のクライアントさんや協力者さんの中にもiPhoneを買った人が増えてきています。みんな一様に、
「買いましたよー!」
「世界が変わりましたよー!」
と言っていましたので、そのくらいのインパクトのある製品だったということですね。
飽きっぽい日本人が2年間もほぼ外見が変わらない(苦笑)同シリーズの機種に執着するのは、珍しいことだと思います。

【日本】
日本でiPhoneが発売された時、
「携帯サイトが見ることができない」
「おサイフケータイが使えない」
「ワンセグ機能など日本の携帯のような多機能性がない」
というデメリットから、当初普及するのには時間がかかる、あるいは普及しないのでは?と思われていました。

ところが、ごく一部のユーザーが実際に使っているのを見て、「これはすごい」と周りに感染しはじめ、約半年~1年くらいの歳月をかけて、ある感染臨界点(ティッピング・ポイント)を超えてきました。商品が爆発的に売れ始める変化点のことです。(人によっては、顧客層の心理的変化から「キャズムを超えた」と表現する場合もあります。)

ソフトバンクは、ここが大勢の人(マジョリティ)を捕まえる勝負時と考えて、
「iPhone for everybodyキャンペーン」でiPhone 3GS 16GBが実質負担0円に
のようなキャンペーンを打ってきています。今までより1万円強お得になったでしょうか。
この戦略で、またiPhoneの現行機種を購入する人が増えるでしょう。(ただし、2年契約なのでよく考えてくださいね。あと半年後に新機種が出てくるはずです。)


【韓国】
さて、お隣り韓国ではようやく(11月末)iPhoneが発売されました。
国中がiPhoneに夢中! スマートフォンの料金値下げ競争が勃発:趙 章恩「Korea on the Web」
日本とは異なり、いきなり大人気のようです。予約から1週間で6万5000人に達する端末はそうありません。
KT(韓国最大の通信会社)の公衆無線LANが無料で使えることもあり、これまた大人気のようです。

(韓国国内に1万3000箇所あるKTのアクセスポイント vs 日本国内に4000箇所あるYahoo! BBモバイルポイント。うーん、国土の広さからいっても韓国のほうがガンガン繋がりそうです…)


日本、韓国には、これからWindows MobileとGoogle Android携帯の逆襲が控えていますが、今のところ、iPhoneに確実に勝っているところが見当たらないのが残念です。
今後将来、携帯電話業界をアップルに牛耳られないためには、過去の携帯音楽プレイヤー業界をよく研究したほうがよいと思います。
MDやフラッシュメモリで細々と録音・再生させ、音楽利権と複雑なDRMの問題で揺れ揺れだったところに、突如HDDを搭載したiPodを投入。他社メーカーが慌てて真似するも、常に頭1つだけ先にAppleが手をうち、なかなかシェアを逆転できなかった業界です。
また、同じことが携帯電話業界でも再現されないとも限りません。


もし、周りを顧みず「国益」を優先するなら、中国のようなスマートフォン戦略を取るという手もあります。

【中国】
中国は逆に、アップル(iPhone)を受け入れない可能性が高いと思います。
なぜなら、世界最大の契約ユーザー数を持つ中国移動(チャイナ・モバイル)の「OPhone」が存在するからです。

“OPhone”に見る中国の強さ
侮れぬ中国「OPhone」の深謀

見るからにiPhoneのパク…、iPhoneにインスパイアされたスマートフォンですが、中国移動は国家直轄の国営企業ですので、民営化する前のNTTが本気で作ってる端末と考えれば、馬鹿にできません。

ご存じのとおり、中国のインターネットは検閲が行われています。
詳しくはWikipedia「中国のネット検閲」などに譲りますが、一般に「グレートファイアーウォール」と呼ばれています。

したがって、中国政府は意図的に「外資企業の国内参入を阻止し、国内企業を成長させる」ことができます。この言わば「デジタル鎖国」は、国益に応じて都合良く緩めたり、厳しくしたりすることができます。
このため、中国国内のIT企業は安心して海外サービスのパク…、模倣を行うことができます。

通常、経済学的にいえば「自由貿易」こそが、最終的に自国・他国ともに成長をもたらすのですが、中国は違います。
中国は、「国内だけで十分ビジネスが回っていく」のです。(ここが日本や韓国のメーカーと違う点です。)

そう考えていくと、日本、韓国、中国のスマートフォンのマーケットも、独自性が見えてきて面白いですよね。

補足:
日本人はまだ、電子技術やITに強いプライドを持っています。
ですから、中国や韓国、台湾の製品を見て、色眼鏡をかけて製品を見るクセがついています。
しかし、アメリカ人が当初、日本が作った車を馬鹿にしていて、シェアを大きく失ったように、日本人もいつか技術立国を追われる(追い越される)立場に回るかもしれません。
日本は、感情論ではなく、現実を冷静に見つめて、今後どのように産業を発展させていくべきか考える時期に来ているのかもしれません。

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コメント

  1. ふぇんふぇん より:

    私も先日iphoneユーザーになったひとりです!
    BONさまの記事ももちろん参考にさせていただきました!
    周りには全然使ってる人がいなかったのですが、
    世の中の流れをみていると今スマートフォンの論理に
    付いて行かないと~!と思いまして。
    iphoneユーザーになって思うのは、周りの人に必ず、
    「あ、iphone!」といわれるほどの注目度。
    そしてその後必ず「でも使いにくいんでしょ?」という言葉。
    使うところを見せてあげたら「そんな不便でもないかも?私も欲しい!」
    とこれまた必ずいわれます。(母までがそういいました)
    まだ操作に慣れてない部分もありますが、
    やはりビジュアルの美しさが大人っぽくてなんともいえません。

    携帯を中国で使い始めた身として思うのは、
    日本の携帯市場はちょっと子供っぽいということ。
    SIMカードなんかも中国は最初から入ってましたし、
    日本の携帯は使いづらいな~と今でも思います。
    その思いがiphoneに走らせたのかもしれません~(笑)

  2. BON より:

    ふぇんふぇんさん、コメントありがとうございます。

    なるほど、「日本の携帯は子供っぽい」ですか…。面白い視点ですね。
    今の携帯電話は、圧倒的に10代~20代のヘビーユーザーに支持されていると思います。
    私も長年、ストレート型や折りたたみ型の携帯電話を使っていたので、ボタンのクリック感や、片手での持ちやすさ、操作のしやすさには慣れ親しんできた方です。またそれを望むユーザーの声もありますから、(例えガラパゴス携帯と呼ばれようとも)今後も日本ならではの携帯進化が進んでいくだろうと予想しています。
    また、シルバー向け携帯のように、操作を単純化するモデルも、スマートフォンでは難しいですよね。

    一方、ウィルコムのスマートフォン(Advanced/W-ZERO3[es])を使ったあたりから、ビジネスへの親和性の高さが格段に違ってきたのは感じましたし、iPhoneを購入してからはノートPCを取り出す機会も格段に減りました。
    アプリをどんどんインストールすることによって、自分ならではの機能拡張ができるのが便利ですし、何より楽しいんですよね(笑)。

    携帯、スマートフォンとも、それぞれ独自の進化を遂げていくだろうと思ってます。今は、純粋にユーザーが選べる幅が広がったことが嬉しいです。
    (ただし、逆に制作側の立場になると厄介です。せめて、全ての携帯電話がフルブラウザ機能を搭載してくれて、わざわざ携帯サイトの動作確認をしなくて済むようになればラクなのですが…(苦笑)。)